医院・歯科医院開業、経営、医療法人設立はお任せください

湯沢会計事務所
開業時・医療法人設立時Q&A

お客様からよく頂く質問をまとめました。

開業時

開業に必要な自己資金はどれくらいあればいいですか?
自己資金は多いにこしたことはありませんが、一般的にビル診療所開業の先生で、500万円から1,000万円。戸建て開業の先生で2,000万円から3,000万円くらい用意されている先生が多いです。
理想としては運転資金(月々の経費+借入金返済額+生活費)×6ヶ月は用意していただきたいと思います。自己資金0だと開業の意思を疑われるので、融資の際は注意が必要です。
それでは、自己資金がない先生は開業できないのか?大丈夫です。
まずは、ご相談ください。
親から出してもらったお金は贈与になりますか?それとも借りた方がいいですか?
親からの資金援助が贈与の場合には、贈与税の課税対象となります。
しかし、相続時精算課税制度を選択して贈与税の申告を行えば、2,500万円までは非課税となります。
ただし、相続が発生した時点で相続財産に加算されます。
また、親から借りた場合には、親子でも利息を取らないと利息相当の贈与があったものと見なされます。
金利は、親が借りているお金を借りている場合にはその利息相当額以上の金額でなければなりません。
親が定期預金しているお金であれば、今の様な低金利時代は、1%も支払えば十分ということになります。
開業時銀行借り入れは、なるべく早く返せるように短く借りた方がいいですか?
開業時は、患者が少ないのでなるべく返済期間は長くとっておいた方が安全です。 返済期間を短くすることは、後からいくらでもできますが、開業後に返済ができないからと、返済期間を延ばしてもらうのはむずかしいです。
従って開業時はできるだけ長い返済期間で融資を受けた方が、資金繰りが楽になります。
お金を借りる場合、元金均等と元利均等どちらを選べばよいですか?
資金に余裕があるか、開業場所がよく、始めから沢山の患者が見込める 場合は元金均等を選択し、それ以外の場合は元利均等を選択すべきです。
開業に当たり、多額の借金をしました。保険に加入しようと思いますがどんな保険に入ればいいでしょうか?
開業の時の保険加入のポイントは以下のとおりです。
1.死亡時に、残った借入金を全額保険金で返済できるものであること。
2.保険料が、できるだけ安いものであること。
この2つの条件を満たすものとして、 日本政策金融公庫で有れば団体信用生命保険、民間であれば逓減定期保険がオススメです。団体信用保険の保険料と民間生命保険会社の逓減定期保険料を 比較した場合45歳以下であれば民間の生命保険会社の逓減定期保険料の方が安くなる場合が多いです。
医療機器を購入する場合借り入れとリースのどちらを選択すればよいですか?
レントゲンのように長く使う物、滅菌器のように安価なものは借入による購入で、超音波診断装置や、レセプトコンピューターのように技術の進歩が早く定期的に買い換えていくものはリースが良いとされています。
また、担保がない場合には医療機器はリースにならざるをえません。

リース料の計算の仕方
物件価額×リース料率=月に支払うリース料
5年 1.8%    
6年 1.6%    
7年 1.4%

リースのメリット
1.少ない資金で高額の設備機器の導入が可能であり、資金の固定化がはかれます。
2.リース期間を法定耐用年数にあわせれば、税法上減価償却と同じ効果となります。
3.より早く機器の陳腐化に対応することができます。
4.減価償却、保険加入、償却資産税の支払いなどの事務処理が簡素化されます。

リースのデメリット
1.月々のリース料の支払が固定費を押し上げます。
2.購入と比較した場合に、手数料・金利が下がっても、リース料は一定です。
3.所有欲が満たされません。
テナント開業なのですが、敷金、礼金の処理はどうなりますか?
契約内容によって処理は異なります。通常敷金であれば、退去時に全額返済されることになっている場合が多いので、全額資産計上します。
保証金で契約書に、時の経過とともに償却される金額の記載がある場合には、 その償却される期間内で償却部分の金額を均等に償却します。

 (例)保証金400万円、2年契約、解約時20%償却の場合  
    400万円×20%×12/24=40万円(1年間に経費になる金額)

また、礼金を大家さんに支払う場合で、その金額が20万円以上の場合には、 契約期間か5年間のいずれか少ない期間で均等に償却をします。
開業時の内装代や、医療機器は支払った時にすべて経費になりますか?
内装代や医療機器などのうち取得価額が10万円以上のものは、あらかじめ決められた年数(法定耐用年数)で、減価償却の方法により経費にしていきます。
法定耐用年数は、資産の種類や材質によって異なりますが、内装代で15年前後、医療機器で6年前後の期間となります。
ただし、10万円以上20万円未満の資産につきましては、選択によって一括償却資産として3年間で償却をすることも認められています。
また、平成28年3月までは、30万円未満の資産について、年間300万円までは一度に償却することも認められています。
開業にかかる経費はいつの分までさかのぼって経費にできるのですか?
いつまでという具体的な定めはありません。
開業費が開業の準備ために特別に支出した経費の額とされていることから考えて開業の意思が決まった日以降に開業のために直接支出した金額となると考えられます。
その日以降で開業との関係を具体的に説明できればいいと思います。
親の土地に診療所を建てます。地代を支払った方がいいですか?
1.地代を支払わない場合
地代を支払わない場合には、使用貸借(ただで使うこと)になり、親子間で借地権の問題は発生しないことになります。
2.地代を支払う場合
地代を支払う場合には、支払う地代の額によって取り扱いが異なるので注意が必要です。
(1)固定資産税の額以下の地代の場合
 1と同じように扱われ、借地権の問題は発生しません。
(2)通常の地代を支払った場合
 通常の地代とは、底地権の価額×6%とされています。
 この場合には、親から子供に借地権の贈与があったものとみなされて  贈与税が課税されるので注意が必要です。
(3)相当の地代を支払った場合  
相当の地代とは、通常その土地の更地価額×6%とされます。  この金額を支払っていれば、子供が贈与税を課税されることはありません。
内覧会の費用は経費になりますか。また開業祝金やお返しはどうしたらいいでしょうか?
内覧会は地域の人達に対して医院を紹介する一種の広告宣伝活動と考えられます。 従って、金額的に妥当なものであれば経費としてよいと判断されます。
又、頂いた祝い金については、金額の多少にかかわらず、事業の遂行に付随して生じた収入の一部と考えられますので、原則としてその受けとった年分の総収入金額に算入します。
しかし、お花や観葉植物などは、贈答品として社会通念上相当のものであれば特に収入に計上する必要はありません。
開業時の医療機器購入のポイントを教えてください。
医療機器は高額のものが多いですから、始めからすべてをそろえようとせず、はじめは絶対に使う物だけにしておいた方がいいでしょう。
ポイントは、
1.先生の診療コンセプトに沿ったものを導入する
2.コストをさげるため中古機器の一部導入も検討する
3.すぐに必要でないものは、実際に開業して患者のニーズと資金繰りを見てから導入するようにする
4.その医療機器を導入して医療機器代金を回収できるかどうか検討する
ことです。
診療所のロゴマークを50万円で作りました。全額経費になりますか?
医療機器は高額のものが多いですから、始めからすべてをそろえようとせず、はじめロゴマークは無形固定資産に該当し、10年間で均等に償却しなければなりません。
医師会には加入した方がいいですか?
できれば入った方がいいでしょう。
開業に反対されて、加入が認められない場合は仕方がありませんが、加入できるのに加入しないとまわりの先生から白い目で見られることが多いようです。
医師は個人事業税が保険診療収入については非課税になっていますが、その恩典の背景には医師会の公的活動が評価されていることを忘れてはなりません。
また、医師会に加入しないと以下のようなデメリットが生じます。

1.加入しないと、医師国保にはいれない。
2.医師会経由の検診等の仕事ができない。
3.医師賠償保険に別途加入しなければならなくなる。
4.医療法人化するときに都道府県から指導を受けることがある。
医師会の入会金は経費になりますか?
医師会の入会金は、税法上繰延資産の中の同業者団体の入会金に該当し、 5年間で償却することになります。
青色申告にした方がいいですか?
青色申告と白色申告の違いは、一言でいうと記帳義務があるかないかということです。青色申告は記帳義務があるかわりにいろいろな特典があります。
主な特典としては、以下の通りです。
1.所得金額(収入金額-必要経費)からさらに青色申告特別控除額(最高65万円)を控除できます。
2.赤字になった場合にその損失金額を翌年以降3年間繰り越すことができ、その繰り越した年の所得金額から控除することができます。
3.届出書を提出すれば、同一生計の配偶者や父母で、医院でもっぱら仕事をしている人に対して支払った給与を経費にすることができます。
青色申告をするためには、3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2月以内。)に青色申告承認申請書を税務署に提出しなければなりません。
期限に遅れると青色申告できませんので注意が必要です。
年の途中で、開業しました。それまでの大学病院の所得はどうなりますか?
その年の開業前の給与収入は、給与所得として、開業後の収入は事業所得として、両方を合算して確定申告をします。
個人所得の申告は、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入を、それぞれの受取った内容別に、その該当する所得ごとに合計し、そのトータルを合計所得金額として、確定申告することとなります。

医療法人設立時

経過措置型医療法人はいつまで存続が認められるのですか?
経過措置型医療法人すなわち旧医療法のもとで設立された出資持分のある医療法人につきましては、当分の間存続可能となっています。
旧法の医療法人につきましては次の2つの権利が保障されています。
①解散時に出資持分に応じて支払を受ける権利
②退社時に出資持分に応じて支払を受ける権利
当分の間存続可能ではあるが、できれば出資持分を放棄して新法の医療法人と同じようになるのが 望ましく、また一旦出資持分を放棄した場合には後戻りはできないことになっています。
それでは当分の間というのはいつまでなのかということですが、これはおそらくずっと続くだろうと思います。
なぜなら、強制的に出資持分を放棄させるとなると、出資者が持っている財産権を侵害することに なってしまい、憲法違反のおおれがあるからです。 つまり、任意はいいが強制はできないだろうということです。
経過措置型医療法人が、新法の医療法人へ移行したときの課税関係について教えて下さい。
経過措置型医療法人から新法の医療法人に移行した方がいい法人も多数あると思います。 それは医療法人の出資持分の評価が高くなっていて事業承継する場合に多額の相続税がかかるような法人の場合です。こういう法人が出資持分のない医療法人に移行すれば相続税は0円になりますので、決定的な相続税対策になります。
ここで問題になるのが、移行した場合の課税関係です。移行した場合医療法人は、出資者に出資持分を返還しなくてよくなるので、その分医療法人に利益が発生し次の基準を満たさないと贈与税が課税されることになります。
運営組織が適正であり、役員等に占める親族等の割合が3分の1以下であることを定款で定めているなど一定の要件を満たす場合でかつ下記の条件を満たす場合、

【従来からの特定医療法人の基準】
・社会保険診療等に係わる収入金額が全収入金額の80%以上
・役職員に対する報酬が3,600万円以下
・病院は40床以上または救急告示病院,診療所は15床以上または救急告示診療所
【改正後の取扱いで異なる点】
・社会医療保険診療等に介護保険及び助産に係る収入金額を追加
・役員及び評議員に対する報酬等の支給基準を明示
・病院または診療所の名称が4疾病5事業に係る医療連携体制を担うものとして医療計画に記載

がん、糖尿病、高血圧、高脂血糖といった4疾病や、救急医療、僻地医療等の5事業のいずれか1つを専門に行い,それが,地域の医療を担うものとして都道府県の医療計画に記載されれば社会医療法人並みの要件による新基準のほうで判定をクリアできることになるということですが、通常の診療所ではまず不可能です。
つまり現時点では実質的に移行すると課税されてしまうので、移行は難しいということです。
経過措置型医療法人でいるのと新法の医療法人へ移行するのとどちらが得なのでしょうか?
医療法人の含み益が多額で、事業承継するときに莫大な相続税がかかるような医療法人は相続税 対策の点から、新法の医療法人に移行した方がいいと思います。ただし、現段階では移行時に多 額の贈与税が課税されてしまいますので、移行は難しいと思います。
旧法の医療法人が新法の医療法人に移行することは、医療法の観点から見て望ましいことであり、厚生労働省も推進しています。ただ、国税との調整がつかず、国税の方は課税する姿勢をくずしていません。今後の厚生労働省と国税の話し合いによっては非課税となるときがくるかもしれませんので、そのときを待つしかないと思います。
新法による医療法人は設立メリットがないのでしょうか?
医療法人化は、個人の節税の決定打です。医療法人が個人と比較して節税になるのには3つの理由 があります。
医療法人の設立メリットは節税であり、そのポイントは3つあります。
 (1) 所得税と法人税の税率差(55%と30%)
 (2) 親族への所得分散
 (3) 生命保険の保険料の損金算入
この3点については、改正後の医療法人もなんら変わるところはありませんので、節税メリットは 依然としてあることになります。 また、新医療法人は持分がありませんので、相続時点においては、拠出した基金で、未返還のもの をのぞいては相続税がかかりませんので、大幅に事業承継がやりやすくなると考えられます。
新法による医療法人で気をつけなければならないことはなんですか?
新法による医療法人は、将来的に法人の留保金が大きくなったとき、後継者がいなくて、他に 売却もできない場合には退職金をとった残りの財産は都道府県や、他の医療法人に没収されること になってしまいます。そうしたことにならないように退職金が取れる範囲内で、法人にお金が残る ように役員給与を設定してコントロールしていくことが大切です。
新法施行後の医療法人は、今まで以上にその内容を理解して、計画的に運営しそのメリットを正し く享受していくことが重要になります。また、退職金で取りきれない場合には、解散しないで、出 資持分を売却すれば没収されることはありません。
新法における財団医療法人はどうでしょうか?
財団医療法人については改正前から、出資持分はありませんでしたので、今回の改正による財産的 な影響というものは、特にありません。ただ、組織運営に対しての規制が強まり改正前は任意だっ た評議員の設置が義務付けられました。
具体的には、評議員は、理事の数+1名以上必要で、かつ理事との兼務ができないことになってい ます。従いまして、法人設立の際社団医療法人であれば、理事3人+監事1人の合計3人で設立が できたところが、財団の場合には理事3人+監事1人+評議員4人の合計8人の名前が必要になりま す。もっとも評議員は履歴書も印鑑証明書も必要ないので、ある意味誰でもいいことになります。
改正後は社団医療法人も持分がないので事業承継の点でも差がないことになります。
設立そのものの難易度は社団でも財団でもかわりません。
社団か財団か選択のポイントをあげると以下のようになると思います。

 1.当初拠出するお金を返してほしければ社団、寄付してもいいなら財団
 2.8人以上の人を用意できるならば財団できないなら社団
 3.名前に公共性を感じさせたいなら財団、こだわらなければ社団
出資額限度法人は新法による医療法人とどこが違うのですか?
出資額限度法人は医療法人の定款に、社員が解散した場合や退社した場合に、出資額を限度として 持分を払い戻す旨の規定がある医療法人です。
これは、新法の医療法人とは、異なる法人です。新法の医療法人はあくまで出資持分はなく、当初 拠出する基金は法人から見ると借入金のようなもので、基金はその倍額の資産を法人が持つように なった時点で返還可能になります。出資額限度法人も旧法の通常の医 療法人と同じように経過措 置型医療法人のひとつに位置づけられています。
出資額限度法人については従来から公共性が高い(出資者等の3人の持分が50%以下、親族関係の社員が50%以下)場合には、出資持分を超えては課税されないがそれ以外の時にはお金をもらえないのにもかかわらず含み益に課税されてしまうという問題がありました。
医療法改正後に、新法の医療法人に課税されることなく移行できればそれが一番いいと思うのですが、残念ながら移行に関しては出資持分のある医療法人と同じように一定の要件を(12参照)満たさなければ贈与税が課税されてしまう可能性があります。
新法における基金の制度は出資金とどこが違うのか、また税務上の扱いはどうなるのですか?
新法における基金は借入金のようなもので、基金はその倍額の資産を法人が持つようになった時点 で返還可能になります。 出資金の場合には、社員が退社した場合や、医療法人が解散した場合にし か返還されませんでしたので、その分は実質的に個人の持ち出しになっていたのに対し、改正後は個人の実質負担0で医療法人の設立が可能になったと言えると思います。 基金の税務上の取扱いについてですが、基金は税務上は、資本金ではありませんので、基金の額が いくらであろうとも、資本金は0円として扱われます。 また、基金は当初拠出した金額以上に返還されることはありませんので、相続税法上の評価も当初 拠出額以下になるもと考えられます。