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湯沢会計事務所

YUZAWA Accounting Office

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財産形成・継承についての質問例

Q 親の土地を確実に相続する方法はありますか?

 相続が発生した時に、被相続人が残した土地を誰が相続するのかは大きな問題です。 特にその土地に相続人自身が住んでいたり、事業用として使っている場合にはなおさら、その相続人が相続したいと考えるものです。
 そこで、親が生きているうちから、確実にその土地を相続するにはどうしたらいいかということですが、これには2つの方法があります。
  • 親にその土地を相続人が相続する旨の遺言書を書いてもらう
  • 生前に死因贈与契約を結んでおくと同時に不動産の仮登記をしておく
 1は、オーソドックスな方法です。遺言書については、被相続人のすべての財産に対して書いてもいいですが、一部の財産についてのみ記載することも可能です。
また、遺言書の作成方法としては、被相続人が自分で書いて署名押印し封書にいれて、封をするという方法もありますが、これだときちんと法定要件(法律上その遺言書が有効であること)を満たしていなかったりする場合もあるので、公証人役場に行って、公正証書遺言にするか、弁護士に依頼するかした方がいいと思います。
また、遺言書はちょっとという場合には、2の死因贈与契約を結ぶという方法もあります。
 これは被相続人が生前に相続人と土地を贈与する契約を結ぶけれども、その贈与は被相続人が亡くなってからはじめて有効になるというものです。
 被相続人と相続人が、土地を死因贈与する旨の契約書を作成し、公証人の認証を受けておけばできます。この方法のメリットとしては、相続人がその土地について被相続人の生前に所有権の仮登記をつけられるということです。
 仮登記をつけておけば、被相続人の死後相続人は直ちに所有権移転の本登記に切り替えることが可能になります。
 ただ、1の方法も2の方法も他の相続人に遺留分がある場合があります。他に分割すべ財産がない場合で、相続人同士の仲が悪い場合には、生前に遺留分の放棄をしておいてもらわないと確実とは言えない面もあります。
 もっとも、全く未分割でそこから話し合いによって分割するのと、すでに自分の名義になっているものについて話し合いをするのとでは、その後の結果に大きな違いがあるのは、間違いないと思います。
 また、税金面で考えますと、1も2も同じく相続によって取得したものとみなされますので、相続税の課税対象になります。また取得した土地について、不動産取得税が1については課税されませんが2についてはその土地の固定資産税評価額の3%の課税がおこなわれます。
 テクニックとしては、1と2を両方やってもらい、適宜有利な方を選択するという方法もあります。