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個人の不動産投資につきましては、税務上何回かの節税規制が入っています。
平成4年から
不動産所得の計算上生じた損失の金額がある場合には必要経費に算入された土地等の取得に係る負債利子に関しては、損益通算が認められないことになりました。
不動産投資を行った場合、土地の占める割合は大きく、その土地にかかる利息での赤字を見てくれなくなったのですから、節税効果が大幅に下がりました。
また、平成16年には、「不動産」の譲渡損についても、「株式」の譲渡損と同様に、
給与所得や事業所得など他の所得との損益通算ができなくなり、青色申告であっても翌年以降への繰越控除もできなくなりました。(なおマイホームの譲渡損については一定条件のもとで損益通算と繰越控除が可能です。)
そのため、バブル時に投資した不動産を処分して多額の損失をだしても、他に通算する譲渡利益がない場合には、現在では1円の税金も返ってこないことになりました。言い換えれば、不動産の値下がりに対するリスクを税務上ヘッジできなくなったということです。これに対して法人の場合はどうでしょうか? 法人の場合には、
不動産投資をした場合にその不動産の内土地にかかる利息は全額損金になりますし、また、
不動産を売却した場合に損失が出たときにもその損失は全額損金に計上することができます。
このように、同じく、不動産投資をしても個人と法人では、税務上の取り扱いが異なっており、現在では、
法人で投資を行った方が有利だということになります。