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その年の開業前の給与収入は、給与所得として、開業後の収入は事業所得として、
両方を合算して確定申告をします。
個人所得の申告は、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入を、それぞれの受取った内容別に、その該当する所得ごとに合計し、そのトータルを合計所得金額として、確定申告することとなります。今回の場合は、次のような流れとなります。
計算例:9/1開業
勤務先病院の給与所得 |
クリニックの事業所得 |
(*1)受取額:1,200万円 |
収入金額 2,500万円 |
(*2)源泉税: 164.1万円 |
必要経費 2,750万円 |
|
損益(*3)▲ 250万円 |
(*4)社会保険診療報酬に対する源泉税:80万円
収入金額 |
所得金額 |
事 業 2500万円 |
▲250万円 |
給 与(*1) 1200万円 |
970万円 |
合計所得金額 |
720万円 |
所 得 控 除 |
200万円 |
課 税 所 得 |
520万円 |
所 得 税 |
61.25万円 |
定率減税 |
1.2862万円 |
源泉税(*2) |
164.1万円 |
源泉税(*2) |
80万円 |
※従って、この場合は1,815,638円の還付となります。
また、
前の勤務先からもらった退職金は退職所得になります。
退職所得は分離課税のため、原則として源泉徴収により納税は終了します。
退職所得 =(収入金額-退職所得控除額)×1/2
退職所得控除額
・勤続年数が20年以下の場合・・・勤続年数×40万円
・勤続年数が20年を超える場合・・800万円+70万円×(勤続年数-20)
上記による計算額が80万円未満(勤続年数2年未満)の場合は80万円とします。
(計算例)・勤続年数 10年・退職金 500万円・通常の退職の場合
○退職所得{500万円-(10年×40万円)}×1/2=50万円
○退職所得に対する税金
50万円×5%×1.021=2.5500円(所得税)
50万円×10% =50000円(住民税)
合計75,525円
原則他の所得(給与所得、事業所得等)と合算されませんが、事業所得が 赤字の場合には確定申告の際事業所得と合算して退職金から源泉徴収されている税金の還付を受けることも可能です。